SWEET BUTTERFLY
エピソード6
「若月さん、若月さん。
小関君、最近また新しい彼女できたらしいですよ?」
バイト仲間の女子大生、深川さんが面白いネタを掴んだように私に耳打ちした。
一瞬、ドキッとしたものの…すぐに気持ちにブレーキをかける。
噂になるくらいなら当然、その相手が私なわけがない。
「彼、モテそうだもんね。
本人から聞いたの?」
「聞いたというか…
この間、小関君ちで飲み会をした時にイヤリングを発見したんですよ…」
「イヤリング?」
「それで、新しい彼女できたのか皆で小関君をいじったら『内緒』とか言っちゃって…
なんか、意味深だと思いません?」
面白そうに、だけどほんの少しつまらなさそうな彼女の横顔を見て
こういうのを女の勘と呼ぶのだろうか?
彼女もまた、小関君に気持ちを寄せているように思えた。