SWEET BUTTERFLY
「深川さん小関君の事…好きなの?」
からかうように聞いた私に、彼女はほんのり頬をぴんく色に染めたが
その表情とは裏腹に「まさか!ありえないですっ!」と首を横に振った。
そう…
残念な事に私から見たら
小関君の相手は私なんかよりも同じ世代の深川さんのほうが随分とお似合いだと思う。
もう少しだけ、私が遅く生まれてたなら…
私が結婚をしていなかったら…
私も彼女と同じ土俵に立てたのだろうか?
深夜の誰もいない店内にクスクスと笑う二人の声が静かに響いた。
時間キッカリにタイムカードを押した私に、深川さんが「もう帰っちゃうんですか?」と弱々しい声をだした。