超短編 『夢』 6
意外と入るもんだな。

自分でも感心したが、本当の限界が近いのも感じていた。


「チョコレートケーキ入ります」

「フルーツ入ります」

「抹茶アイス入ります」

「あんみつ入ります」

「コーヒー入ります」

「ヤキイモ入ります」

「ナタデココ入ります」

「イチゴ大福入ります」




突然パーンと音がして、俺の腹が裂けた。


「うわっ」



目が覚めた。


夢だったんだ。

夢で良かったよ。



しかし、二度と同じ夢を見たいとは思わなかった。


ロクな夢ではないから。




気がつくと、身体中にグッショリと汗をかいていた。


俺はシャワーを浴びようと、濡れたパジャマを脱ぎ裸になった。



そして、先月手術が終わったばかりの腹を撫でた。


そこには大きな手術の痕があった。




「自分の腹が食い過ぎで破裂したなんて、誰にも言えないよな」


俺は苦笑いをしながら、そうつぶやいた。
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