kiss
「キスしたのは、秋継なの……?」
「そうだよ」
あっさりと返ってくる、真実。
「なんで……?」
あんなに悩んでたのに、答えはこんなにも近くにあった。
「雪那がいつまで経っても俺のところに戻ってこないから」
……嫌だ。
以前はずっと夢みてた。
好きな人とのキス。
秋継とのキス。
それは幸せなはずだった。
でも今は嬉しくない。
だって……想いがない。
秋継からは、あたしへの想いが伝わってこない。
なにを考えてるのか……なにを企んでいるのか、まったくわからない。
それなのに、あたしを求める。
理由も言わずに……。