kiss
もうやだ!
あたしは秋継を睨みつけて、門をくぐろうとした。
でも彼はそれをゆるさなかった。
「まだ話は終わってないよ」
あたしの腕を掴む手。
以前はずっと、お互いに握りあっていた、手。
あの頃よりも、当たり前だけど大きくなっていて、ゴツゴツとしていて……。
「放して……痛い」
力強い。
「うち来てよ」
「え……?」
「久しぶりでしょ?来なよ、うち」
秋継の考えが、読めない。
「放して」
「話そう?久々に」
「放してよ」
「それに……弁当箱も受け取らなきゃだし、ね」
……え?