kiss
友達・家族・そして秋継自身に、言いたかった。
でも、話す資格もないと、思ってたの。
最初に裏切ったのが、あたしから、だったから
「思ってたことがありすぎて、うまく伝えられないけど……」
これだけは言える。
これだけは言いたい。
「秋継を忘れた事なんて、なかった」
忘れたくても、忘れられなかった……。
ずっと、ずっと考えてた……。
私を、「女の子」として楽しませてきてくれた。
存在だけで、幸せだった。
でも、苦しくもなってた。
「あたしだってずっとずっと……」
『一緒にいたかった』
そう言うべきなのかもしれない。
でも……あたしはあなたにもっと伝えたい言葉がある。
何よりも伝えたかった、あなたへの想い。
決して口にすることはなかった、あたしの心。
「ずっと、好――」
その言葉は、言わせてもらえなかつた……。