kiss
功……?
「まぁ確かに、振ることにはなるだろうね。雪那」
「ちょ、秋継!?」
ソレ言っちゃダメなんじゃないの!?
しかも、秋継から言っちゃうなんてもっと……。
「でもさ、どうでもいい人にいちいち返事なんてしてらんないよね」
「……」
「そこのとこ、頭の隅にでも置いといた方がいいかもね。それに、悪い知らせばっかりじゃないかもしれないし」
「は?」
「俺の言うこと振りきってまで、残酷で優しい選択をしたんだ。聞くだけ聞いてやって」
秋継は、『じゃぁね』と言って、自分の教室に戻って行った。
たぶん、あたしたちの様子を見に来たんだ。
あんなこと言ってたくせに、心配してくれたんだ……。
「行こ」
功を連れて、いつもの場所へ行く。
昨日のことを話さなくちゃいけない。
秋継がキスして来たこと。
秋継との過去に、秋継と付き合うことになれたこと。
功と、これからも友達でいたいということ。
朝の時間は限られてるから、短くまとめて話さなくちゃ、伝わらない。