kiss


功……?


「まぁ確かに、振ることにはなるだろうね。雪那」

「ちょ、秋継!?」


ソレ言っちゃダメなんじゃないの!?

しかも、秋継から言っちゃうなんてもっと……。


「でもさ、どうでもいい人にいちいち返事なんてしてらんないよね」

「……」

「そこのとこ、頭の隅にでも置いといた方がいいかもね。それに、悪い知らせばっかりじゃないかもしれないし」

「は?」

「俺の言うこと振りきってまで、残酷で優しい選択をしたんだ。聞くだけ聞いてやって」


秋継は、『じゃぁね』と言って、自分の教室に戻って行った。

たぶん、あたしたちの様子を見に来たんだ。

あんなこと言ってたくせに、心配してくれたんだ……。


「行こ」


功を連れて、いつもの場所へ行く。

昨日のことを話さなくちゃいけない。

秋継がキスして来たこと。

秋継との過去に、秋継と付き合うことになれたこと。


功と、これからも友達でいたいということ。


朝の時間は限られてるから、短くまとめて話さなくちゃ、伝わらない。



< 57 / 67 >

この作品をシェア

pagetop