kiss
「でも違ったな」
「え?」
「アイツ、俺にお前と友達続けるように言いやがった」
「そんなこと、言ってたっけ……?」
「アイツの言葉振りきってまで俺と友達続けることを決めた。それをアイツが言う時点で、認めてる証拠だろ」
……もしかして秋継、こうなることわかってて、廊下に……?
「行動パターン、読まれてるな、お前」
「……幼馴染み、だからね」
あたしは、苦笑いで功を見た。
功は、あたしの大好きな笑みを見せてくれた。
また、一緒に笑えた。
仲も元通りになって、教室に戻ると、結奈がすぐにあたしに気付いてくれた。
功と並んで教室に入ってきたのを見て、笑ってうなずいてくれた。
昼休みになると、あたしは結奈に話したことと、秋継と付き合うことになったことも、友達のみんなに話した。
怒られながら冷やかされ、なんだか照れくさい気持ちになった。
この瞬間が幸せで、付き合えたことが現実味を帯びて来た。