kiss


いーっぱい寝たおかげで、お腹と背中がくっついちゃいそうですよ、まったく。


「雪那ちゃん、大丈夫なの……?」

「つーか昼まだ食ってないの?」

「大丈夫。ってかさっき起きたばっかりだよ」


あの夢と現実の狭間の話をするか、一瞬迷った。

でも、今考えれば、キスじゃなかったのかもしれない。

指だったのかもしれないし、あとは、あとは……プニプニしたストラップみたいなので遊ばれてたのかも……いや、でもあれは確かに体温だった気が……。


匂いも覚えてる。

どことなく、懐かしいような気がした。

安心できるような匂い……。


「雪那?本当に大丈夫?」

「まだ気分良くないの……?」

「え?あ、ううん、ただ考え事してただけ」


思いだそうとすればするほど思いだす。

思いだしたくても思いだせない夢とは違う……つまり、現実の可能性が高い。


経験上。
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