鎧―キミヲ守ル―
「…準は確かにカッコええよ。
けど、ただの仲間やから。私は瞬斗だけ。さっき強調したやろ?“彼氏の”って。私は瞬斗だけが好きやねん」



「ごめんなさい、私。こんなにも人を好きになった事なくて、つい…」



涼花ちゃんは順番が近付いて来た準を見て立ち上がる。

自分の鞄から出したデジカメを出し、準に向ける。



「瞬斗、撮ってあげて?」



「あぁ」



涼花ちゃんは私よりも身長が低い。

周りの馬鹿デカイ男たちのせいで上手く撮れないだろう。



「お願いします…っ」



涼花ちゃんが遠慮がちに差し出したデジカメを瞬斗は受け取り、準を撮り始めた。

私は瞬斗の椅子に立ち、瞬斗の後ろから準を見る。
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