鎧―キミヲ守ル―
「涼花ちゃん、私の椅子に立ってえぇよ?」



私がそう言うと、涼花ちゃんは「すいません」と、ローファーを脱いで椅子に立った。

準の番になり、涼花ちゃんは胸の前で手を組む。



「「じゅーん!勝てー!!」」



私と飛鳥が偶然にハモりながら叫ぶ。

すると、準が私たちに気付くと同時に、涼花ちゃんにも気付いた。



「涼花の為に勝つからなー!!」



準は涼花ちゃんに微笑みながら叫ぶ。

涼花ちゃんは嬉し涙を流しながら、「準君、頑張って!」と叫んだ。



「兄貴の前でイチャイチャすんなー!」



「イチャイチャはしてへんやんか」



私は瞬斗におぶさりながら、飛鳥を見下ろした。
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