鎧―キミヲ守ル―
「……」



しかし、中身は空っぽ。

私は聖のブレザーの裏ポケットに手を突っ込み、煙草をパクった。



「マジでカップルにしか見えない!そんなんじゃ、彼氏が泣かない?」



私の正面に屈んでた飛鳥が、そんな事を言った。

火を点けようとしていた煙草が口から落ち、聖は勢い良く振り返る。

ーードンッ



「―――った;;」



私は飛鳥の胸板を蹴飛ばした。

後ろに倒れ、2、3回転した飛鳥。



「「大丈夫か?;;」」



哲司と準が、飛鳥に駆け寄る。

私は煙草を拾い、3人に背を向けるように座り直し、煙草に火を点けた。

煙草を吸いながら、私を睨む瞬斗と目が合う。

私は輪から離れ、塀に凭れながら、煙草を吸う事にした。
< 19 / 210 >

この作品をシェア

pagetop