鎧―キミヲ守ル―
「兄貴、卑怯」



「瞬悟ーシュンゴー君、聖に勝ったとか、卑怯でもヤバいからな!」



「“卑怯”言うな!あの時は確か……」



「――何も言うなッ!言うたら殺るで」



瞬悟君と呼ばれる瞬斗の兄貴が何かを思い出した時、いきなり聖が怒鳴った。

私までビクッとしてると、聖は笑顔に戻り、「さ、行こうや」と、我先に車に乗り込んだ。



「お前ら、あいつの…だったな」



「――ッ!!」



目を見開いて、ヤツを見る。

…こいつ…。

紳の大学の先輩だ。




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