鎧―キミヲ守ル―
5時間目の自習時間。

私は新しく貰った教科書に名前を書いて居た。

騒がしい教室。

…キレそう。

ギャーギャーとあそこの学校の●●ちゃんが可愛いとか、養護教諭の伊藤先生が可愛いとか、煩い。

ーーギシギシ

私がマッキーを握り絞めると、今にも折れそうな音がした。

ーーガタガタ…

怒りに震える手のせいで、机が揺れる。

その音で、教室に居るみんなの視線が私に向く。



「静まれ」



そんな時、誰かに目を隠された。

聖の声と手ではない。

かといって、知らない声でもない。

私はマッキーを離し、私の目にある手を掴んだ。
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