鎧―キミヲ守ル―
席に座る瞬斗。

携帯をいじり、メールをしてると確信し、私は覗いてしまった。

<18時に行く>



「彼女?」



「いちいち見んなよ」



否定せず、送信した瞬斗。

私は瞬斗の横顔を見る。

…キスしたい…。



「――ッ!?;;」



私、今、何を思った?;;

瞬斗から目を逸らし、冷静になる。

瞬斗の細く形の悪くない、唇。

…瞬斗の唇が悪い。

私はキスしたいという衝動に駆られたのを、瞬斗の唇のせいにし、私は再び、教科書に名前を書き、自習時間を過ごした。

私はキス、その先もした事がない人間なんだから―――……。



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