鎧―キミヲ守ル―
私は腕を振り払うが、また掴まれる。



「何やねんな…」



私は目を合わさず、ため息混じりに訊く。

女はパシンッと、私の頬を叩いた。



「何するん?」



痛くも痒くもない私は、女に平然と答える。

私は朝の事の他に、この女に何かした覚えはないし。



「………長峰ーナカミネー!!」



女は誰かを叫んで呼ぶ。

私が“は?”と思っていると、黒いスーツを着た男が3人、現れた。



「お呼びでしょうか」



「この女をあそこまで」



「畏まりました。ほら君たち、捕まえなさい」



どうやら長峰というのは、この女の召し使い。

他の2人は、ボディーガードのようだ。
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