鎧―キミヲ守ル―
俺は電話を繋げたまま、家を飛び出した。

宛もなく走り、翼が居そうな場所を捜す。



『お前、今どこ』



電話から漏れる声。

俺は携帯を耳に当てた。



「今?駅裏の公園」



『待ってろ』



「は?」



…何様やねん。

俺はブチッと切られた電話。

俺は携帯をパチンと閉じ、ジャージのポケットにしまう。

“待ってろ”と言われても、落ち着かない。

俺は煙草を吸い、気持ちを落ち着かせる。

俺が焦り、翼がマジでキレてたら、止められない。

空に向かって紫煙を吐き出すと、バイクのエンジン音が聴こえて来た。
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