鎧―キミヲ守ル―
「今、近付いたら、お前も同じ目に遇うで?」



俺はそう言って、自分が翼に近付いた。

翼の背後からバレないように近付き、翼を抱き締めた。



「離せぇ゛ーッ!!」



「「「「『…っ』」」」」



翼の変わり果てた姿に、瞬斗たち6人は、固唾を飲んでいた。

俺は暴れる翼を地面に押し倒した。



「俺や翼!!俺の目を見るんや!!」



翼の赤く変わっている瞳。

けど、俺に気付くと、本来のブラウンの瞳に戻り始める。



「……聖…ッ…私……」



翼は辺りを見渡し、自分のした事がどんな事だったか思い出し、目に涙を浮かべた。

俺はその涙を手の甲で拭い、翼を起こした。




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