鎧―キミヲ守ル―
私が気にせず煙草を吸った瞬間、後ろから伸びて来た手が、私の煙草を奪った。

私は聖だとわかり、振り返りながら睨む。



「一応、学校やからな」



聖は火を点けたばかりの煙草を、黒い携帯灰皿に入れた。

私は「はいはい」と言いながら、校舎の方を向いた。

古びた校舎、スプレーやペンキで落書き外壁、ガラスのない窓……そして、【鳳凰】のメンバー。

私は聖を見た。

身長差20センチ。

私は首が疲れるからと、すぐに視線を前に向けた。

すると、緑髪が近付いて来る。



「誰?」



私たちを交互に見ながら、自分の名も名乗らず、人に訊いて来た。

…礼儀も知らへんの?

私はツンとした感じで、緑髪から目を逸らした。
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