鎧―キミヲ守ル―
「「……」」



無言のままぶつかる視線。

そこに居たのは赤髪。

私の隣にダルそうにヤンキー座りする。

ブレザーだけじゃなく、カッターシャツのボタンまで1人だけ全開。

中に着た黒のタンクトップの前に、ぶらぶらと揺れた十字架のネックレス。

私は赤髪に「何か?」と訊いた。

それでも何も言わずに、カッターシャツの胸ポケットにしまわれた、煙草とライターを取り出し、吸い始めた。

私は煙に誘惑され、ガムを吐き出し、自分の煙草を出し、口に銜えた。



「ん」



ライターを私の前に差し出し、火を点けた赤髪。

私は大人しくその火を貰った。
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