鎧―キミヲ守ル―
「残念ながら、今日は兄貴と映画を見に行くだけなんです(笑)」



飛鳥は何故か胸を張りながら言う。

私はため息と一緒に、吸っていた煙草の紫煙を吐き出す。

瞬斗が座りながら寝ている。

私は瞬斗の腕を引っ張り、自分の肩に瞬斗の頭が乗るようにした。

首が痛むと思って。



「あ、来た」



準がスクールバックを背負い、現れた志村に近付く。

私はその姿を、他人事のように見ている。



「あのさ、志村。ちょっと良いか?」



「俺は大丈夫ですけど」



志村は持っていた携帯を閉じ、スラックスのポケットへとしまった。



「翼なんだけど、瞬斗と付き合い始めたから、もう付きまとうの止めて欲しいんだ」



準の言葉に、志村はどこか遠くを見ながら固まる。
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