鎧―キミヲ守ル―
誰にあげるかわからないけど、林檎を八等分にし、皮を使いながらウサギの形にし、塩水に浸して準備は完了。

おにぎりも、聖に言われた通りの25個。

鮭・梅・シーチキンの三種類で作って、もう誰にも文句は言わせない出来映え。



「おー、これで喜ぶやろな(笑)」



「誰が?」



「ん?別に」



聖は重箱とおにぎり、林檎の入ったタッパを紙袋に容れながら、何か怪しくブツブツと呟いている。

私は聖が昨日、作ったお味噌汁を温め、余ったおにぎりと食べ、朝ごはんにした。

聖は食パンを焼き、トースト一枚で朝食は終了。

男なのに少食な聖に対し、私は朝ごはんが足らないのか、食べ終わりにお腹を鳴らす女であった。




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