鎧―キミヲ守ル―
後ろで会話が弾む中、私たちは無言。



「名前は?」



何となく無言が嫌になり、私は当たり障りもない質問、名前を訊いた。

赤髪は「ふー」と紫煙を吐き出し、煙草を持った手の薬指で目頭を掻く。



「芹澤瞬斗ーセリザワシュントー。
お前は?」



私は“ふーん”と思いながら、短くなった煙草を消しながら、「中川翼」と答えた。



「さっき聞こえたかも」



…は?

瞬斗はそう言って、自分も煙草を消した。

“聞こえてたなら訊くなよ”と思いながら、私は立ち上がる。

赤髪は肩を鳴らして立ち上がり、私の頭に手を乗せ、顔を私の耳で囁いた。



「黒のパンツ、見えてたぞ?」



…殴って良いですか?
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