鎧―キミヲ守ル―
瞬斗に抱き着いて来た咲子さん。

瞬斗は簡単に私の手を離した。

咲子さんの肩に手を置き、「泣き止め」と言う。

…私の目の前で何なの…?



「2人でよろしくやればえぇやんけ…」



私は聖の腕を引っ張り、校門をくぐった。



「翼ッ!!」



瞬斗が初めて私の名前を呼んだ気がするけど、こんな時に呼ばれたくない。



「…っ…、」



「翼、ちょっと止まれ!」



私が唇を噛んだ時、私が聖を引っ張ってた筈なのに、逆に引っ張られ、足を止めた。

私は聖の胸に飛び込んだ。



「泣いてえぇよ?つか、もう泣いてるか(笑)」



私は聖の背中に腕を回し、恋に対して初めて泣いた。

人生でこんなにも涙が出たのも、久しぶりだと思う。
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