鎧―キミヲ守ル―
私と瞬斗の額がくっつく。



「最初は咲子を離そうと、肩に手を乗せた。けど、思ったより力が強くて、無理に出来なかった。多分、罪悪感…」



瞬斗はそう言うと、自分の煙草を取り出し、吸い始めた。

私はその横顔に吸い込まれる。

きっと私は、浮気されても、この横顔にやられて許してしまう。

この横顔に、何度だって恋をしてしまう。



「瞬斗が好きや…。せやから、何をしても、私のとこへ帰って来て…」



「“何をしても”って;;
俺にはお前しかいらん」



瞬斗は私を引き寄せ、髪や耳にキスを繰り返す。

私はお互いの髪色に勝るほどに顔を赤くし、「キス魔」と言って、瞬斗から離れた。
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