鎧―キミヲ守ル―
ーーブーッブーッ

私がお茶の入ったグラスを見て居ると、ジーンズのポケットに震えていた携帯が震えた。

私はサブ画面を見て、「電話」と言って、部屋に入る。

電話の相手は“釜谷紳ーカマヤシンー”、私の嫌いな、兄貴だった。

…どんなタイミングだよ…。



「――…もしもし」



『俺や。まさか出るとはな』



「何か用?ないなら関わらんといて」



『お前に会いたいだけやんか』



「どの口が言うん?私ら“あんたが目の前に現れたら殺す”って言うたやろ」



『お前に一目でも会えるなら、構わへん』



「………消えろ」



ーーブチッ

私は低い声で兄貴にそう告げると、電話を切り、リビングに戻った。
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