鎧―キミヲ守ル―
「顔、怖いぞ」



私は表情を元に戻したつもりだったのに、私に言われ、リビングにある全身鏡で顔を確認。

そこに映る私は、眉がつり上がっていた。

目は死んだよう。

ダイニングテーブルにピョンと座り、携帯を握り締める。



「…聖、言おうや」



隠せないと感じた。

彼氏である瞬斗に、いつまでも言わないわけにもいかないし。



「そうやな…」



聖は立ち上がり、窓からの景色を眺める。

私は煙草を吸い、6人を見渡した後、口を開いた。



「私と聖の父親は、釜谷銀行の頭取、釜谷義巳ーカマヤヨシミー。似てて当然なんや…」



私はテーブルの上に胡座をかき、みんなに背を向けた。
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