鎧―キミヲ守ル―
「私たちが苗字が違うのは、母親が釜谷の愛人やったから。せやけどな?釜谷は40を過ぎた母親を、簡単に捨てたんや」



みんなの顔が、怖くて見れない。

私の視界が歪んで行く。



「でも、釜谷は私たちの存在がバレないように、隠れて生活をさせた。
それでも苦痛はなかった。…そんなある日な、兄貴…釜谷紳、次期頭取のあいつに、私と聖が豹とつるんでたと知った。豹を殺った事までバレた。隠そうと否定したら、あいつは私たちの目の前で、母親を殺して脅した……っ!!」



「泣くな…」



私が泣き叫んだと同時に、下唇を噛む聖が私の肩を抱いた。

私が口を開こうとすると、「俺が話すからえぇよ」と、6人の方を向く。
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