奈落

観覧車を降り
幸せだ、と一人感じて呟いた。


「……ふふっ……」



「ゆな」


真剣な眼差しで見つめてくるりょうたがいた。

「約束してほしいんだ。」

・・・?

「なに?」

「俺ね、ゆなの事すごい好きなんだ。」

――ッ

ゆなの顔が赤く染まっていくのが分かる

「…うん?」


「でね、
男と二人で遊ばれるのも嫌だし、クラスの男とも喋らないでほしいんだ。
嫉妬してそいつらボコボコにしちゃうかもだから」





・・・・・?


「…え、あ…」

「だめかな?お願い」

ギュっと手を握られ

「不安なんだよ。ゆな可愛いからとられるのが嫌なんだ。」


「分かった…」




この時

約束をしていなくても
ゆなたちが終わるのは運命だったよね…

束縛に
トラウマがあった―…

中学時代一年近く付き合っていた彼氏に
すごく束縛されていて

ゆなは
その人をずっと一途に想い続けていた。


男とも関わりなく
その人だけを想い続けていた

なのにその人はゆな以外に二人も別の女がいた。


そういう不安も抱きながらも

りょうたと約束を交わした


りょうたを信じていたから。

好きだったから…


でもね

思うんだ


信じちゃったら裏切られた時すごく辛いって…
こんなに辛かったら信じる事を辞めよう。

壁を作ろうってね・・・?

でもこの時のゆなはまだ

信じる事しかしらなかったの…

だからすごく辛い想いしたんだよ…?

りょうた…
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