奈落



────♪♪…♪…♪



ケータイが急に鳴り始めた。



「りょうた先輩でないかい?」


「うそっ?!?!」



りぃがそう言うと、
ゆながパッと期待に頬を染める。


でもそれは────…




〔090********〕

知らない番号・・・誰だろ


「知らない番号だ…」


「まじかぁ。でてみたらあ~?」


「うん・・・」


携帯を見つめながら、少し嫌な予感がした…


─────ピッ。



ゆなは通話ボタンを押した。




「・・・もしもし?」


「…もしも~し♪一年のゆなちゃんだよね~?」


??????


「は…はい…そうですけど、誰ですか?」


「あたし二年のりょうたのモトカノなんだけど~」


「!?!?」

なんでりょうたのモトカノがゆなの番号知ってるの…?


「りょうたから番号聞いたんだけどさ~最近遊んだときに♪」


え…
なんでりょうたがモトカノと遊ぶの…?
ゆなには男と遊ぶなって言ってたのに


なんで・・・?

しかも何でモトカノ…?

「えっと…用件はなんですか?」


「何か感じ悪いね。話がしたいからさ~、今から学校の近くの公園あるじゃん?そこ来てくれない?」


は…?なんでゆなが行かないとだめなの・・・?

意味分かんないし

だんだんと怒りがこみあげてきた


「なんでそんなとこ行かないといけないんですか?」

冷たく言い放つと


「…りょうたと私の今の関係知りたくない?」

関係・・・?


「関係って何ですか・・・?」

「知りたかったらきなよ。公園で待ってるから」


――ぶちっ


電話がきられた

意味分かんない

なんでりょうたはモトカノと逢ったりしてるの…?

じゃあなんでゆなは男と遊んじゃいけないの?
りょうたは遊んでいいのにゆなはだめなの…?


しかも

今の関係ってなに・・・?
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