一番星


放課後。
ほとんど人の居なくなった教室で、立ちすくむ。

窓の前で。


天気は朝とうって変わって、土砂降り。


いつもなら傘持ってるのに、今日に限って忘れた。

朝晴れていたのが嬉しすぎて、浮かれた。


というか、内心、降るとしてもこんなに降ると思ってなかった。

梅雨の雨はしとしとと、長い時間降るから。

最悪濡れて帰ることもそれならできたけど…。




ザアァァァァァァァァ──…




窓を閉めていても雨音が響く。

帰れそうもない。








「あれ、」


呆然としているうちに、教室に誰も居なくなっていた。

ちょうどいい。

期末まで二週間切ってるから勉強することにした。


時間が経てば雨が弱くなると信じて。





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