一番星



2人、無言で立ち尽くす。


どうしようか、普通に考えれば自転車置いていくけど、明日が土曜日ときた。

微妙。





「さすがに二人乗りで傘さしはどっちかが濡れるよ」


先に口を開いたのは彼の方。

いやいや、二人乗りで傘さしはまず危険だ。
やっぱり思考回路が不思議。


「いや、いいよ、自転車置いていく。流石に…」



明日取りに行こう。
学校は開いてるだろうし。


「そっか、」

「うん、帰ろう」



靴を履いて、外に出る。


隣で彼は傘を開く。

傘でかい。

…当たり前か。



「家どっち?」

「右」


さり気なく私を傘に入れて歩き始めた。

結構密着。




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