一番星


カバンの中を探るとちゃんと見つかったチャリキー。


「よかったね。」

「う、うん…」


こっちをまだ見ている和妻。
目がバチっと合う。


こ、これはなんか反らせない…。
そしてやっぱり整った顔をしてるなあとしみじみ。



「改めてさ、」

「え?」


和妻は目をそらさずに口を開いた。


「よろしく、平野さゆりサン」

「…っ、うん」


…うっすらと微笑まれて、もう目を反らす他ない。

それに、フルネーム知ってるんだ…。
驚きだ。


……二つの衝撃に、クラスの女子が色めいていた事に私は気づかなかった。





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