一番星


そして放課後。



「なんかデジャヴ」

「……ふっ」


窓に張り付いて外を見る。

斜め左後ろには席で鼻笑う和妻。

教室には半数の生徒が立ち往生。

天気は土砂降り。


傘はあるけれど、自転車で帰るのはなかなか辛いものだ。


「これってさ、」

「ん?」


ぽつりと和妻が呟いた。


「地球温暖化の典型例なんだって」

「へえ…」

「地面付近の気温が上がって水蒸気になった水が上にいく。だけど上は気温が低いから飽和水蒸気量が変わるから水に戻る。ある程度は上にたまり続けるけど地面は暑くてどんどん水蒸気になるから耐えきれなくて、この有様。」


「どうしたのいきなり」

「なんとなく」



やっぱり和妻は掴めない。




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