一番星
気づいたら教室に残る生徒はパラパラ。
外はザバザバ。
すぐやむと思いきや、やまず。
結局仕方ないので勉強だ。
「これ公式違うよ」
「あ…」
何故か一緒に勉強する和妻。
というかあたしの勉強を見てくれている。
「なんかラッキー」
「何が」
「和妻が隣に居ると便利」
「便利屋か」
「そうとも言う」
「おい」
いやほんと助かるよ。
数学は今日でどうにかなりそうだ。
「あ、」
「ん?」
和妻がくるっと窓の方を向く。
「霧雨」
つられて私も窓の外を見れば
「ほんとだ」
気づけば午後6時半。
「そろそろ帰ろ」
「うん」