一番星
和妻は卑怯な賭けは軽く受け流しておく。
20位入ったらラッキー、ぐらいの感じでテストに挑んだ。
手応えはそれなりにある。
張り出される紙に自分の名前があったら絶対写真撮るつもり。
「顔緩んでる」
「手応えあるんだもん」
「まだ1日目。油断大敵」
「帰ったら勉強しますよ、ええ。」
またあした、と言って教室を出る。
はずだった。
「なにかご用ですか和妻くん」
ベストの裾を掴まれて後ろが伸びてる。
「勉強見てあげる」
「そんな親切な事したら20位以内入っちゃう〜」
「きっと無理。」
「ええ‥‥。とりあえずお腹すいた」
使ったエネルギー取り戻さないと。