一番星
そして、和妻予想は本物となる。
「テストおわたー!」
期末考査四日目、最後の科目が終わって、あとは来週の返却だ。
待っているのは夏休み。
荷物をまとめて左隣を見ると、ぼんやりと頬杖をついて窓の外に視線を向けてる麗しいやつ。
外は今にも降り出しそうな曇天。しかもなんかくらい。昼なのに。
「台風来るね」
「残念なことにテスト終わったあとだな。」
「全然残念そうじゃないように聞こえる」
きっと夕方には大荒れだろう。朝の天気のお姉さんも言ってた。
「んじゃ、また来週」
席を立つと、同時に隣の席も立ち上がる。
「ん?」
「降る前に俺も帰る」
「まあそうだよね」
二人で教室をでた。
いまさらな話、結構女子にチラ見されるけど、それもここ最近慣れた気がする。
和妻の顔を改めて見るとやっぱ整ってる。
斜め左下から見ても。