一番星


スタスタと駐輪場を出て、校門に向かう。

‥‥でも結局のところ、


「いや、意味わかんないし」


チャリに乗ってついてくる男がいるわけだけど。


「意味わかってちょ」

「わからんちょ」


だめだ、既にアウト。

いろんな生徒に見られてるこの状況。


「あれか、してたらカレカノっぽいか」


「やっと気づいたのか」

「いや、なんとなく最初から」

「はぁ?!」


勢い良く振り向くと至って普通の和妻。

ほら、前見て歩いて、と言いよった。


「たぶん付き合ってると思ってる人いると思う」

「なんでそんなに平然と」


わたしはだんだん顔に熱が集まってる感じある。


「んー、まあ噂は泳がせておけばいいよ。」

「ええ‥‥いいのそれで和妻は。」

「俺的にはいいんじゃない?平野サンならそばにいても鬱陶しくないし」


「なんかすごい微妙な心境」



つかみどころのない和妻のせいで自分のペース乱されてる。

結局いい加減乗りなよって言われて渋々ニケツで送り届けられたのであった。













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