一番星


食堂にくるのは初だった。
存在は知っていたけど、お母さん毎日お弁当つくってくれるしご縁がなかった。


「毎日ここで一人飯?」

「まあそんなところ。たまに鬱陶しいの来るけど」

鬱陶しいの、で想像つくあたりなんか、うん。

「ここ、お弁当広げても大丈夫だから食べちゃいなよ」

「あ、いいんだ。先にもどろうとしてた」

「お互い一人で食ってんだから一緒に食う方がいいだろ」

「なぜ、それを知っている」

「見りゃわかる」

ぐぬぬぬ。

お弁当をあける。
だいたいバリエーション同じだけど今日は唐揚げ入ってる。ちょっと嬉しい。


「平野サンってなんで女子とつるまないの?」

「出遅れた感じ。気づいたら女子グループ出来てた」

「ふーん‥‥まあ女子のグループってなんか、めんどくさいだろうしね。」


そうそう、そうなのよ。
割り込んで入る気もないし、空気みたいな感じでいいの。





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