一番星


「空気ねえ。」

「何その含み」


なんとなく、言いたいことはわかる。というか、空気に最近なりきれてない原因が目の前に。

「俺といるしまあそれなりに目立ってると思う」

「それな」

喋りきるとまたもぐもぐと食べる。
決して咀嚼しながらはなさないあたりちゃんとしてる。


「ニケツ拒むわりに、飯は一緒に食べることに抵抗しないあたりよくわからんな」

言われて、はたと気づく。


めっちゃカレカノっぽいぞこれ。


「今気づいたの?」

若干馬鹿にされてる。

「前にも聞いたけど、和妻はいいの?私といて」

「むしろ気に入ってるから」

「は、はあ‥‥」


鬱陶しくないから気に入ってるに格上げされてる。

なんて言葉かえす?え?どうしよ、え。


「箸止まってる、とりあえず食べることに集中しないと昼休み終わるよ」


いつの間にか食べ終わってる和妻の視線が突き刺さりながら、お弁当を平らげることになったのであった。


ちなみに唐揚げ一個食われた。





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