一番星
私
隣の否応なく視線を集める彼とは違って。
私のポジションは平凡。
物心付いたときから。
制服は思いっきり崩す訳でもなく、カッチリ校則に従う訳でもなく。
上手く周りに溶け込むようなスカートの長さ。
ワイシャツの崩し加減。
ネクタイの崩し加減。
……高校生って制服の着方で人を判断するよね。
……習性?
成績は一応真ん中らへん。
中学時代は頭が良いって部類に居たけれど。
それも表立って言う訳じゃないから、私がこの高校に受かったのが知れた時は心底驚かれた。
高校に入ってからは中間にいると思う。
……この前の中間考査の結果をみる限り。
もしかしたら存在的には空気にも近いかもしれない。
高校にはこれといった友人もいない。