校舎の中で
ハル


あたしはいったいどれくらいの人達に迷惑をかけているのでしょう


でもね


それだけあたしの回りには


沢山のあたしを支えようとしてくれる人達が


沢山いるって事だよね


でもそんなんでいいのかな……?


「なー

弥生


俺さお前が大好きだよ


人の気持ちが考えられないくらい


自分も一杯一杯なのに


他人の事をちゃんと考えようとしてて


素直なくせに


素直じゃないフリして



そんな弥生だから


俺も直ちゃんも好きなんじゃない?」


「じゃぁ


なんで


なんで


壱は




あたしの前から消えたの?」







あたしは久々に出した彼の名前に


ハルもビックリした


どんなに辛くても


どんなに辛くても


その名前は出さないと決めていたから




「なんか


あったんだろ



話し聞いてる限り


俺は壱さんは


何も理由がなく消える人じゃない


弥生が一番分かってるんだろ?」



うん


だから悔しい


気づかなかった自分も


壱が好きすぎて


壱を守りきる事が出来なかった





ハルはお店にある唯一のソファーに座ってタバコを吸う



その姿が絵になるくらい綺麗だ




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