校舎の中で
不意に後ろを振り返った



弥生は俺に背を向けて



後ろを振り返らずに歩いて行った








あいつはいつもそうだった






あの日も俺の手を握り返しておきながら




俺を


お前は……




************




「ハルにーー


待ってーーー」



「弥生ちゃんわ遅いよォー



ほら


一緒に歩こう」



そういって僕は弥生ちゃんに手をだした



「ありがと」



そうして僕たちはいつでも一緒だった






でも



いつまでも




そのままってわけはいかなかった





俺が一足早く高校に上がった



前は中学が一緒だったから当たり前に二人で行っていた




けど少し俺の高校は遠い



俺の目から離れてほしくねーーー




弥生は俺のだ




でもあいつ鈍感だから心配だ




そして恐れていたことが起きた










弥生に彼氏が出来てしまった














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