『金持ち心♀♂貧乏心』
櫂也は目を見開いた。
「美桜・・・?なんでここに?」
「か、勘違いしないで・・・よね。びしょ濡れになったのは、私のせいだし・・・ブレザー返しに来たら、風邪ひいてるって言われるし・・・会いに・・・来なきゃ、気がすまなかったのよ・・・・自分の・・・・気が」
少し頬をピンクにし、頬を膨らませて言う美桜。
『いつからこいつ、ツンデレみたいになったんだよ・・・』櫂也は心の中で呟くと、美桜の腕を掴んで、抱き寄せた。
「うきゃぁ」
美桜は右手を振り上げ、櫂也の頬を叩こうとしていた。
「ごめん。しばらくこのまま」
美桜は右手を下ろし、櫂也の胸に頭をくっつけた。
「寂しいんでしょう?風邪の時は、寂しく感じるんだよね・・・その気持ち分かるから、私を貸してあげるわ。」