『金持ち心♀♂貧乏心』
部屋を出ると、腕を組んで、仁王立ちしている妹、羽美の姿。
「羽美か・・・。なんだ?」
「熱、下がった?」
「あぁ、西川と美桜のおかげでな。まぁ、あいつは俺のを貰っちまったらしいけど・・・だから今、大道寺家に電話をな」
羽美は櫂也に抱きついた。
「羽・・・美?」
「櫂也は変わらないよね?櫂也は櫂也のままだよね?」
櫂也は羽美の身体を離して、羽美の顔を覗いた。
「どうしたんだよ・・・羽美」
「櫂也は、今の世界が嫌いなんだよね?金持ちが嫌いなんだよね・・・。じゃあ・・・大道寺美桜も嫌いでしょう?」