『金持ち心♀♂貧乏心』
――ガチャ
タイミングが本当に悪い。と櫂也はつくづく思う。
昔から運が無さ過ぎるだろう・・・と。
「美桜・・・。」
「ありがとう・・・でも大丈夫だから、帰る・・・」
美桜の重心はフラフラでまっすぐに歩けていなかった。
「美桜!」
櫂也は美桜の身体を支えた。
今度は、しっかりと・・・・。
「櫂也の、ばか・・・」
羽美は両手にグーを作って、美桜を睨み、自分の部屋へと戻っていった。
「羽美、西川を・・・」
櫂也が振り返ると、羽美の姿は無く、櫂也は美桜を抱きかかえようとした。
「触らないで」