『金持ち心♀♂貧乏心』
鏡の前に立ち、一呼吸。
「どうして、夢を見なかったんだろう・・・初めてだわ。何故だが暖かい夢を見たのは・・・・」
美桜は頭の中に、一人の人物が浮かんだ。
「まさかね。何?私がなんか、感情を持っているからだと言うの?」
鏡の前で独り言を言い出す美桜。
美桜は首を思いっきり振って「勘違いよ。勘違い」と言いまくる。
「美桜さま。ご準備できましたか?」
廊下からする声にビクンと反応した美桜は、急いで鞄を持って、部屋から出た。
「あれ、眼鏡ですか?」
「伊達よ、伊達。こうしておいたほうが、何かするときに便利なのよ」
たとえば、学園長に嘘つく時とか・・・ね。
と美桜は心の中で言う。