『金持ち心♀♂貧乏心』




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「転校ですか?」



学園長は、飲んだばかりのお茶を噴出す寸前だった。




「はい。私、勉強をしたいな・・・と思いまして。もちろん薔薇園もいいのですが、ここはイベントが多く、楽しいのですが、勉学にきちんと入れません。なので・・・」



美桜は眼鏡をクイッと上に上げる。




「では、薔薇園にAクラスよりもランクが高いAAAクラスでも作って・・・」



「駄目ですわ。ここはイベントが多く、学園全体で盛り上がるのが売りの学園です。私の我儘で学園を変えることなど、あってはなりませんわ」




「しかし・・・」




学園長がこんなにも大道寺美桜を引きとめようとする理由は、ハッキリ言ってしまうと経営のためだ。



美桜目当てに入ってくる坊ちゃんやお嬢様が山ほどいる。




中には、無理して一般人が受けに来るくらいだ。




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