『金持ち心♀♂貧乏心』
美桜が辞めてしまっては、他にも転校したい。と言う生徒が増え、美桜が行った高校に流れていってしまう。
「考え直すってことは・・・」
「一切、考えておりません。私が転校して、何か不都合でも?」
美桜は分かっているのに、意地悪な質問をした。
「いや・・・それは、ないんだが・・・」
歯切れ悪くそう言う学園長を見て、美桜は心の中で笑った。
「学園長、お願いします。判を押してください。私は、私なりの花を咲かせたいのです」
「・・・っ・・・・」
学園長は額の汗をハンカチで取る。
「わ、分かりました。許可しましょう」
美桜は軽くガッツポーズすると、泣きそうな顔を作り
「ありがとうございます。ここを離れるのは苦しいけど、自分のために、花を咲かせるために頑張ります。応援していただけますよね?」
美桜は右手を差し出し、握手を求め、ニコリと笑った。