『金持ち心♀♂貧乏心』



西川が運転するリムジンは、揺れを一切感じない。



「西川。今日はどでかメンチカツが手に入ったんだ」



「坊ちゃん。もうそのようなことは、しなくていいのですよ?シェフが美味しい」



「分かってる。でもさ、シェフのも美味しいけど、やっぱ、いままで庶民ってか・・・どん底の貧乏だったから、高級な味が慣れなくてさ・・・」



櫂也は、スーパーの袋をギュッと握った。



「しかし・・・」



「西園寺の方には感謝してる。俺達キョウダイを拾ってくれて、養子と養女で迎え入れてくれて・・・あと親の借金も返してくれて、でも・・・慣れないんだ」




櫂也は今まで、どん底の貧乏だった。


両親は多額の借金を残して自殺。



櫂也と妹はどん底人生を数ヶ月歩んできた。


二人三脚で、がんばってきた。




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